第24章 星屑の泪
Bチーム―――
スタート時では、
チームに活気が溢れ、
ぐんぐんと道を登り続けていた。
だが、ペースを
初っ端から早くしすぎたためか、
数分経った頃には
もうクタクタになっていた。
翠「もー疲れたーーー!!!」
刈「騒がしいですよ翠さん。
ほら、お家ならもう目の前に…」
翠「アタシに森へ帰れって言いたいの!?」
辛そうな顔を浮かべる翠に
追い打ちをかけるように
刈真が毒を吐く。
翠は深い溜息をつくと、
重そうな足をゆっくりと動かし、
側にある切り株に腰を下ろした。
刈真、栞鳳は
翠に近づくなり立ったまま話し出す。
栞「やっぱ真夏は違うねぇ~
こんだけ暑いと、きっと
都心なんかはいてもたっても
いられないんじゃない?」
栞鳳は額の汗を拭い、
涼もうと手で仰ぎ始めた。
刈「そうですね、
パーカー脱ごうかな」
栞「お、刈真君のサービスショット~」
刈「やめてください」
パーカーを脱ごうと
チャックに手を掛ける刈真。
その姿を、両手で長方形を作った
栞鳳がカメラマンのように
いやらしく観察する。
話題を盛り上げていくふたりを、
翠は肘ついて眺め続けていた。
段々悲しくなってくる…
アタシひとりだけ輪に入れてない…
ふたりだけでずるい!!
翠「こらー!!
ふたりでイチャイチャすんなーっ!」
刈「あ、元気になりましたね」
栞「流石吹雪姫♪体力も怪物だね☆」
翠「え!?え!!??」
状況が理解できてない翠を
置いて先を進もうとする刈真たち。
おい、さっきまでの態度は…?
呆然としたままの翠は、
すっかり疲れの波が引いてしまっていた。