第24章 星屑の泪
連「この景色が、
頂上ならもっと綺麗に変わるんだろうね」
後ろで、連の穏やかな声が聞こえた。
私は、返事をするように頷く。
大河はその話を聞くと、
さらに目を輝かせて
「じゃあ早く進もうぜ!」
と叫んだ。
沙「そうですね!
皆さんより先にゴールして、
少しの間でもいいから
絶景を独り占めしましょう!」
大「おお!」
そう言って、微笑みあった私たちは、
一気に駆け出そうとした。
その時。
連「けど休憩も必要だよー」
連の声が耳に届く。
振り向くと、眩しい笑顔の彼が、
両手に青い水筒を抱えていた。
大「なんですか、それ?」
大河の質問に、
連はにっこりと笑うと
「皆の大好きな、カル○スです。」
と水筒を持ち上げた。
連「早く進みたい気持ちも
わかるけれど、休憩と水分補給も
キチンとしなければいけないよ。
これ、常識ね?」
私は確かに、と納得する。
大河も「そうか!」と
笑顔を見せると、連に近寄って
「じゃあ早速休憩しようぜ!」
とはしゃぎ始めた。
沙「汚れていい服ですから、
地べたでも大丈夫ですかね」
大「大丈夫だ!
なんか遠足みたいだな!」
連「あ、もうひとつの水筒には
アク○リアスが入ってるからね」
そうして
輪になった私たちは、
水筒のキャップを開けた。