第24章 星屑の泪
琴「オリエン…なんだっけ、
忘れちゃったけど、大変だね」
美「他の皆は、どうしてるかしら」
切り株に腰を深く掛ける琴音は、
周りの雑木林を見渡しながら
大きく息を吸い込んだ。
琴「森林浴で、良く
『空気が美味しい』って
番組タレントの人とかが言うけど、
味もないし、わからないよ」
美紀は「まあね」と軽く返事をする。
側の木に寄りかかっていた優一は
静かに腕を組み直した。
よく聞こえそうな鳥の声がして、
木々が腰を振るように揺れた。
そして、すぐにその場にいた
三人の間に夏風が通り過ぎる。
琴音から見たときは、
美紀の髪が柔く揺れていたのだった。
美「去年は夏らしいことが出来なくて
正直つまらなかったけれど、
この旅行はとても楽しいわ」
笑顔の彼女はそう言った。
琴音は頷く。
そして、立ち上がると
身なりを正して顔をあげた。
琴「時間取らせてごめんね、
じゃあ、また歩きましょう!」
優「また足痛くなったら言えよ…」
美「その時は休みましょうね」
Aチームはこの先も順調そうだ。