第24章 星屑の泪
翠の姿がキッチンに
消えるのを見送った後、
耳にニュースキャスターの声が響いた。
画面を見つめると、
先程報道された事件に関してのことで、
社長の顔写真が画面右端に貼られていた。
ニュースキャスターは原稿を
チラチラと見返している。
きっと今届いた原稿なのだろう。
ぎこちない話し方をしていた。
『先程入った情報です。
どうやらこれらの事件には…
いくつかの共通点があり、
その一つ、としては、毎回
遺体発見場には
小さな”貝”のシルエット絵
が描かれたメッセージカードが
落ちている、とのことです。
この発見されたカードが
どういった…事件解決への手がかりに
なるかは現在…、調査中です』
ニュースキャスターは
話を終えると、
『続いてのニュースです』
とぶっきらぼうに呟いた。
沙「貝のシルエット絵…」
優「不思議な事件だな…。」
画面がコマーシャルになると、
優一が首を動かして「あ」と言った。
彼はゆっくりと立ち上がる。
そして、「嶋瀬…」と呟いた。
私はその名前に自分も
ソファーから立ち上がる。
慌てて優一の見ている方へ
目を向けると、紺色の
パーカーを着た刈真がいた。