第24章 星屑の泪
私の珈琲が
もう容器半分になった頃。
自分は優一の座る
ソファーにお邪魔していた。
優一はまた
ニュースを見ている。
翠は床に正座して珈琲を啜った。
優「最近物騒な事件が多いなぁ…」
沙「え?」
優一は私を見た後、
テレビ画面に顎を出した。
私の視線は自然に画面へ。
毎日見ているニュースキャスターの顔が
深刻さを物語る目をしていた。
お決まりの前置きを述べた後に、
ニュースの本題に入る。
『今日未明、先日から行方不明であった
株式会社○○社長の××社長が
遺体で発見されました。都心中央の――』
大きく出された顔写真が
目に飛び込んできた。
私はその写真を見て、
知っている人だと気づく。
沙「この方知ってます。お気の毒ですね…」
優「結構有名なとこの社長じゃん」
翠「あちゃー…じゃあ大問題だね。
一体誰がそんなことすんだろうね」
沙「心からご冥福お祈りいたします…」
本人の知人、もしくは関係者でも
ない私がテレビ画面に向かって
こんなことを言うのはおかしいだろうか。
確かに最近は
行方不明者の事件が多発しており、
その殆どが遺体となって発見されている。
優一は、このような事件が
何件もあることに対して、
物騒 だと発したのだろう。
彼は珈琲を飲もうと
カップを手に持ったのだと思うが、
その中身がないことを確認すると
何事もなかったように
テーブル上に置き戻した。