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「 水色の革命 」

第23章 さあ!海へ!!







栞「不思議な人だよねぇ」




翠「!」



翠はまた振り返る。
先程まで自分のいた岩の上に
栞鳳が足を組んで座っていた。


彼女は、栞鳳を
鋭い目つきで睨む。





翠「何しに来た」






栞鳳は「んー?」と
悪戯好きな子供のように笑う。

彼女は栞鳳に近づき、
彼の顔を間近に見つめた。




栞「別に寝れなかったから
  海を見に来ただけだよ?

  幸宏さんが夜の海も綺麗だって
  言ってたしね?」





にこっと作り笑いを浮かべ、
栞鳳は海の方へ顔を向ける。

翠は、その場で
険しい表情をしたまま動かなかった。


栞鳳は、
静かに囁いた。



栞「そんな怖い顔しないでよ。
  僕は貴女様のことが心配なのさ」


翠「心配をかけた覚えなどない」




彼女はそっけない回答をした。
その反応に、栞鳳は
機嫌を少し悪くする。




栞「吹雪姫はさぁ」









「ずっと焦ってるんでしょう?」






栞鳳の表情が陰る。
翠は、驚いたように
目を見開いて話を聞いていた。





栞「ずーっと沙織ちゃんたちの
  側で”親友”になっていたいけど、




・・・やめろ



  
  いつかバレれば大変なことになっちゃう。
  バレれば皆に嫌われちゃうだろうし
  
  沙織ちゃんたちにはもう会えない。





・・・お願いやめて





  それに、掟を
  破ったんだから
  二度とお日様を拝めないかもよ?









  だって貴女様は――――――






翠『それ以上口を開くな!!!!』



彼女の叫び声は、
栞鳳の耳に、真っ暗な海の底に
ずっと響いた。

ギュッと口を結ぶ翠。

力を入れすぎたために唇の皮が
切れ、口内に鉄の味が広がってしまった。





翠「そんな話…聞きたくない…」




彼女は、顔を伏せた。










栞「…言い過ぎたね。
  事の重大さは、貴女様自身が
  1番よく理解しているんでしょう?

  ずっと、このままでいたいのはわかる。
  だけど…。



  もう、時は動き出してる。」








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