第23章 さあ!海へ!!
栞鳳は、
彼女の瞳を真っ直ぐ見つめた。
「もう、魔法が解けるかもしれない」
翠「…シンデレラの夢は終わるのね」
栞鳳は、翠から
目を放そうとはしなかった。
彼女の吹っ切れた表情の
裏に隠された壮絶な感情に
気づいていたからだった。
翠「まあ、ずっと前からわかってた」
「わかってたんだ、何もかも」
栞「…力は貸すよ。
僕は、貴女様の、だからね」
翠「急に意地悪になったり、
優しくなったり、一体なんなの?」
栞「只気まぐれなだけだよ」
翠「・・・お別れね」
栞「まだ、希望を持ちなよ」
栞鳳の目には、
彼女の悲しそうな
力のない笑みが焼きついていた。
彼女は、
ずっと、水平線を眺めていた。