第23章 さあ!海へ!!
正午頃、仮別荘にて。
それぞれシャワーを浴び、
持ってきておいた私服に
着替えた者から、
お昼の用意をすることに。
私と刈真は、
広いキッチンでカレーの
材料を切っていた。
私は玉ねぎ。
刈真は人参を。
材料とお皿などの
用具が揃ったら、
バーベキュー場に行って
そこで本格的に料理をする予定だ。
リビングの方で
お皿を食器棚から出す作業を
していた翠が、私たちを見て笑った。
翠「沙織相変わらず料理うまいねぇ
アタシあまり料理しないから
そんなに上手く切れないよっ」
頬を掻きながらえへへと笑っている。
私は
「一人暮らしだし…一応一通りは…」
とはにかんだ。
翠はいいなぁと何度も言う。
その言葉がとても嬉しかった。
けれど、上手いといったら
あの人もそうだ。
私は刈真の隣にいる連を見る。
連は、野菜を洗って
皮を剥く作業をしてもらっていた。
その立ち姿、表情。
全てが大人って感じがして、
とても頼りたくなる。
包丁さばきも見事だ。
刈「連さんはやっぱり
堂に入ってますね」
刈真がそう呟いた。
すると、「んー?」と
連が包丁を動かしながら言う。
連「ああ…、
まあこれでも厨房歴は
結構あるからね!料理ぐらいは
できてないと恥ずかしいよ…えへ。
その言葉、
大学の仲間にも言われたよ」
刈「本当、すごいと思います」
連「えへへ、ありがとう」
ふたりの会話を聞いていた私は
いつの間にか笑っていた。
こうやって、
男の子同士の会話を
聞くのも新鮮だからだろうか…?