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「 水色の革命 」

第23章 さあ!海へ!!







聞こえた声に、
翠はハッと目を開ける。




翠「その声は!!」





来た道の方へグリンッ
と首を回すと、そこには

心配そうに翠を見つめる

刈真の姿があった。





翠「刈真君っ!!」





翠は喜びと助けを混ぜた声をあげる。
刈真はその眉をキリッとし、


「捕まって!!!」


と翠に手を伸ばした。



翠は思いっきり
その手を掴んでジャンプする。


勢いよく跳んだことにより、
なんとか面積の広い場所へと

体を移すことに成功した。



衝撃で、ふたりの体は
その場に倒れこむ体制になる。


ズルッと音が止んで、
ふたりはゆっくりと体を起こした。




翠「いてて…っ」


刈「大丈夫ですか」




頭を抑える翠。
刈真はいつも翠に向けるような
意地悪い目とは違う真剣な目で

彼女を見つめていた。





翠「大丈夫…刈真君
  ほんっとにありがとうね!?」


刈「如月さんが帰ってきた時
  オロオロしてたので、

  どうしたんですか、と
  聞いたんですよ。」





―――「どうしたんですか?」



―――「…翠がいない。
   置いてきちゃった…」



―――「えっ」




その話を聞いて、
翠はなるほどねぇと頷く。




刈「こっちの方まで行った、と
  言うので来てみたんです。

  そしたら翠さんが…っ」




その瞬間、刈真が
口を抑えた。

翠はえっ、と
刈真の顔を確認する。



…な、なんてことだ。



翠「なんで笑ってんのーーっ!!?」



刈真は口角を上げて
笑いを我慢していたのだ。

さっきの感謝の言葉、
取り消してやる!!


翠はそう心の中で思った。









刈「あんな迷信、
  信じてるんですね。」


翠「!!」



皆のところへと帰るとき、
刈真がそっと翠に耳打ちをした。







翠「…叶えたいお願いがあるから」



刈「へぇ…。
  頑張って見つけてくださいね」



翠「え?」



刈「『星屑の泪』。
  叶えたいのでしょう?お願い事」





刈真は、
翠に優しく微笑みかけた。







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