第23章 さあ!海へ!!
クロールの競争をしていた翠と優一。
随分と長い距離を進み、
最初いた浜の方から
西へ数十メートル離れたところにいた。
翠「いやっほぉ~い!
アタシが一位~~~っ!」
優「うっ…。
もう翠なんか知らねぇーっ」
競争に勝ったのであろう翠が、
自慢げに高々と手をあげる。
そんな態度に腹を立てたのか、
優一は頬を膨らまし、
翠を置いて何処かへ行ってしまった。
翠「ちょっ!ちょっとぉ!!?」
気づいたときには後の祭り。
優一の姿は見当たらず、
翠はポツン…と取り残されてしまった。
立ち泳ぎをしたまま、
辺りを見渡す。
大きく立てる波の音しかせず、
翠は帰り方を忘れてしまっていた。
翠「こりゃ…ヤバイな…」
状況を理解し、
とりあえず近くの浜に
向かって泳ぎを進めていったのだった。