第23章 さあ!海へ!!
栞「そんなに泣いちゃってっ、
連君は涙もろいんだねぇ」
栞鳳は
連に自分の缶ジュースを渡す。
連は、それを
ぐびっと飲み干した。
――――想いが届かなくてもいい
それって、
俺にとっては凄く苦しいことだ。
フード店で彼女と
話すとき、時々俺は思ってる。
その笑顔を、自分のものにしたいって。
ダメなのは最初から
わかってるんだ。
沙織ちゃんを心から支えられるのは、
沙織ちゃんの隣にふさわしいのは、
刈真君なんだって、わかってるから。
だけど、やっぱり苦しい。
息ができなくなって、泣きたくなって。
これが、失恋ってやつなのか、
俺は、下唇を噛み締めた。
連「…俺、凄くカッコ悪いね、…っ」
溢れる涙を拭いながら、
連は笑う。栞鳳はその笑顔を見て、
そっと、目を伏せた。
栞「イイね。
僕、そんな大人、嫌いじゃないよ」
連「格好良いこと言ってくれるなぁ~…っ」
栞鳳は、
優しく連の背中をさすった。