第4章 転校生 と いじめられっ子
聞き覚えのある声…
この人は…
顔を上げると、そこには
ファーストフード店でよく声をかけてくれる
男性の店員が佇んでいた。
もう仕事は終わったのだろうか。
あ、朝出勤なのかな・・・?
店員は心配そうに私をみる。
「!! ちょっ血出てるじゃないですか!!」
店員は私の怪我した右足を見て
あわわっ と焦っている。
「あっ…大丈夫です。お気になさらないで…」
「いや気になりますよ!!ほらっ足かして!!」
「えっ ちょっと!!」
店員は座っている私の右足をフワッと浮かせ、
もっていたらしい絆創膏とハンカチで
丁寧に怪我しているところを手当てしてくれた。
あっというまに処置が終わり、
私は呆然とする。
店員はこれでよしっ!と立ち上がり、
にっこりと微笑んだ。