• テキストサイズ

「 水色の革命 」

第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ






奈「実咲…」



実「!奈菜美っ」




実咲の肩を抑えていた
奈菜美が、深刻な顔で彼女を
見つめていた。


実咲は、助けを求める目で
奈菜美を呼んだ。




奈「店長、」




「「!!」」





突然の指名で、
今までスタッフの群れに
見え隠れしていた店長が

静かに表へ出てきた。




「…なんだい。奈菜美さん」




奈菜美は、
実咲に真剣な目を向ける。

その瞳の奥には、
熱く、静かに、輝いているものが見えた。





奈「…私達、
  沙織ちゃんを虐めてました」




実「!!」




沙「!!!」








その場にいた全員が
奈菜美の一言に体を固くした。


まるで、時が止まっているように。





実「ちょっと!
  いきなり何言ってんの!?

  あんたっ…頭おかしく――


奈「最初から認めれば良かったんだよ」





実咲が、息を呑む。


奈菜美は、目を伏せた。




実「て、店長っい、今のは!!」




言いかけていたところで、
実咲は言葉を喉の奥に押し込んだ。


周りの空気に、
もう逆らえないと悟ったのだ。



話を聞いていた店長は、
おもむろに顔をあげ、言った。





「本当は…
 薄々気づいていたんだ」




実「ああ…あぁ゛…」




実咲が膝から崩れ落ちた。





「君たちは上手くやっていると
 考えていたようだけど…



 お客様から、苦情が来ていたんだ。」







店長が静かに目を瞑る。

その時、コツコツ…と足音と
共に翠が実咲の前に立った。

グッと、彼女の
制服の胸ぐらを掴む。






翠「…悪いことをしていれば、
   必ず誰かが見ているものなんだよ






  もう、二度とするな。」






実咲は、絶望を
感じさせる瞳から、

一筋、大粒の涙を流して瞳を閉じた。








/ 586ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp