第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
その次の瞬間だった。
「もうそのへんにしときなっ!」
全員「!!?」
大声と、ガタっと
音を鳴らして、誰かが
客席から身を乗り出した。
連「!!あれっ!?
まだ今日はお客入れてないのに!!」
連が、びっくりして
あたふたとお店の鍵を確かめる。
それより!っと、
私はその 誰か の正体を
調べようと目で追った。
…!!
沙「翠さんっ!!!」
翠「お待たせ!!沙織っ」
にこりと微笑むその顔と
揺れるポニーテールが見えた。
間違いなく、 翠 。
だが、どうして翠がここに…?
その時、
実咲が声をあげた。
実「あっ!!あの時の女っっ!!?」
全員が彼女に集中する。
栞鳳がにやっと笑っていた。
栞「あーあ、
まさか自分の口から言っちゃうなんて。」
実「!!?っしまった!!」
慌てて彼女は口を手で押さえた。
が、もう遅い。
「あっ、貴女は
あのカフェで見た…!!」
女の子も、翠を指差して叫んだ。
まわりの店員達が
ざわざわと騒ぎ出す。
「あのカフェって、
もしかして先輩がいったところの?」
「よく見たら、動画に映ってる
この女の子、あの翠って子にそっくり!」
「じゃあ本当なんだな!!?」
実「ああ…あ゛…っ」
実咲の強ばった顔が
ガラっと変わっていった…。