第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
それからまた倉庫の方へ行き、
色々と確認を終えた私は、
一旦更衣室に
戻って休憩しようと考えた。
「つっかれたー…。」
ふぅ、と一息ついてから、
更衣室の前に立つ。
そしたら、中から
ぶわっと溢れるように
明るい声が聞こえてきた。
私は思わず後ろに退く。
(…扉、変えてくれないかなぁ…)
明るい声はすぐに私の耳に
入ってくる。会議室といいここといい、
もうちょい頑丈で丈夫な扉で
ないと、重要な話を外に聞かれてしまう。
まじまじと扉を見つめていたが、
何考えてるんだ、と手をかけた。
「これであのイケメン君と
デートだぁ!!!♥♥♥♥ 」
(!?)
私は一瞬心臓が止まりそうになる。
「…実咲…さん?」
なんと中から聴こえてくるのは
実咲の声だったのだ。
彼女は独特の声なので
すぐにわかってしまう。
そんなことは置いておくが、
私は訳が分からなかった。
(デート…?だってさっき…)
「うちの店長まじ
チョロイんですけどー!?」
…まさか。
そう考えた時、
中から足音が近づいてきた。
…!! くるっ!!