第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
女の子は、
大きな声で叫んだ。
「さ、沙織さんの言ってること、
嘘じゃありませんっ!!」
皆の視線が彼女に移る。
私も、突然で状況が把握できなかった。
実「なんなの?急に
割って入ってきて…、
じゃあ貴女も私がのけものだって!?」
実咲が声を張り上げた。
「…だって、私見てたもん!!」
その一言で、
皆の顔が変わった。
店長が、彼女の元へ近づく。
「見てたって…何を…?」
「…。」
女の子は、一瞬栞鳳を
チラッと見つめた。
その時、栞鳳が「あっ」と声をあげる。
刈「どうしました。」
栞「いや、あの子、覚えてる。」
刈「…いたんですね。」
栞「そっか。」
栞鳳が、にっと微笑み、
女の子を指さした。
栞「君、僕らのことを見てたんだ。」
女の子は、
まっすぐに栞鳳を見つめながら頷いた。