第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
その時、
カランっと音を立てて
奈菜美と実咲が入ってきた。
店長や連は、とても
険しい顔をしてふたりを見つめている。
私も、まっすぐにふたりを見つめた。
奈「おはよーございますぅ…」
実「? どうしたんですか。」
質問する実咲に、
店長は静かに問いかけた。
「実咲さん、貴女、
昨日あれから何処へ行っていたの?」
一瞬だけ、実咲の目が泳ぐ。
私と刈真はそれを見逃さなかった。
実「何処って、母の所へ…。
あっ、あれから病院にいったんですけど、
別になんともないって!
だけど、少しは
安静にしてなさいってことらしく―――
「―――――おかしいね。」
実「…え、」
実咲の顔に
動揺と焦りが見えた。
店長は、ゆっくりと
連の持っていたパソコンを
実咲に向ける。
そして、言った。
「今朝、店にこんなメールと
動画が届いてね。
タイトルは、
『バイトの少女、
店をほったらかして向かった先は』」
店長が、動画の再生ボタンを押す。
実咲が目を見開いた。