第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
翌日。
何事もなかったように
私と刈真は、ファーストフード店へ
足を踏み入れた。
すると、なぜか店長や
店の店員達がかたまって話をしていた。
妙に重苦しい空気だ。
歩いている時にチラッと見えた
連はとても険しい顔をしていた。
(…どうしたんだろう)
私も少しずつ不安が顔に出てきてしまった。
隣の刈真に目をやると、
まっすぐ皆を見ていた。
私達は連に駆け寄る。
連は、こちらに気づくと
少しばかりはにかんだ。
連「おはよう、二人共。」
私は聞いてみた。
沙「どうして…集まっているんですか?」
連「ああ、実は…。今朝うちに送られてきてね。
ちょっとこれを見てよ。」
そういってスっと見せられたのは、
何やら動画だった。
そのタイトルを見て、
私達は目を見開く。
刈「これって…」
沙「もしかして…っ」
そのタイトルは、
『バイトの少女、
店をほったらかして向かった先は?』
沙「…会長さんだ…。」
刈「あの人は本当に…
意地悪なお方だね。」
二人は顔を見合わせて
静かに笑う。
連はなんだろうという顔をしていた。