第4章 転校生 と いじめられっ子
私の中で、何かが切れた。
目を開く。大きく、虚しく、
―――――「僕は何があっても大丈夫」
ポタポタと滴り落ちる
誰かの涙
―――――あなたじゃない…
「どうしたの。」
私は彼の声を無視して走り出した。
とっさに彼に腕を掴まれる。
「待って。どうしたんだ、そんなに泣いて!」
彼は声を荒らげた。私は一瞬心が乱れる。
―――――――邪魔者
彼の手を振り払った。そして。
「私の心はもう
ボロボロで何も耐えられないよっ」
酷い涙声だった。
「っ!!」
彼は目を見開く。
私は彼を横切り走った。
振り返る事はなかった。