第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
栞「さてとっ
まあ今日はとりあえずこんなもんかな。」
勢いよく背伸びをした栞鳳は
奈菜美の前に足を運ぶと、
ヒョイと軽々しく彼女を背負いだした。
翠「ちょっ、会長その子どうするの?」
″栞鳳″だからこそ危険である。
それを心配したのか、翠は
慌てて部屋を出ようとする栞鳳を止めた。
首を傾げたままこちらへ顔を向ける栞鳳。
そして、フッと何気ない笑顔を見せた。
栞「ああ、心配しないで。
この子を家へ送るだけだよ。」
刈「奈菜美さんの家をご存知なんですか。」
刈真の質問に対し、
栞鳳は静かにピースを送った。
栞「僕は一応、生徒会長だからね!」
((それなんも関係なくね?))
全員が冷たい眼差しを向ける前に
栞鳳はスタスタと部屋を出て行ってしまった。