第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
奈「!!?っ」
突然響いた音に
奈菜美は目を見開く。
この部屋には今
自分しかいないはずだ。
……じゃあ誰が…?
手汗が滲んでくるのを感じた。
考えたくないのに
頭の中が嫌なことだらけ思い浮かぶ。
奈「な、なんかの物音で・・・しょう?」
必死にそう言いかけ、
無理に自分を安心させようとした。
『 ドンッ 』
奈「ひぃぃいい!!?」
また響いた音。
何故だか、先程よりも
近く、大きい気がしたのは気のせいだろうか?
嫌な予感しかしなくなった
奈菜美は、すぐに何処でもいいからと
走りだす。ここが人の家だとは知っている。
だが、こんなことが起きちゃあ
誰だってパニックになるのだろう。
真っ暗な部屋の中、
ひたすらに奈菜美は駆け回った。
何かが追いかけてくるのを感じながら。
奈「ど、どうなってんのよぉ!!?」