第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
実「てっ店長…」
実咲は
震える手を抑えながら
店長を呼んだ。
「どうしたんですか!?」
実「じっ実は…
今実家から連絡があってっ
母親が倒れて
救急車で運ばれたって…!!」
「ええっ!!?」
実咲の突然の告白に
店長は思わず立ち上がった。
実「どうしよう…っ」
顔色が優れないまま
実咲は口に手をあてた。
「今すぐ 行ってあげなさい!」
実「でっでも…私がいなくちゃ今日は…っ」
「いいから早く支度をしなさいっ!!」
実「はっはい~~っっ」
実咲は、
波に押し流されるように
女性着替え室へ入っていった。
実「よっしゃーー!!!!」
実咲は部屋に
入った瞬間、喜びの歓声をあげた。
着替えが終わると
ピョンピョンと
飛び跳ねながら嬉しがった。
実「これであのイケメン君と
デートだあ!!!♥♥♥
まじ店長チョロいんですけどーっ!?」
実咲は
可笑しそうに笑うと
チャッチャと
お店をあとにし、
栞鳳との約束場所へ向かった。