第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
彼は
子犬の様に
目をクリクリさせている。
実咲の好みにはどストライクだった。
手が震え、
上手くボタンが押せなくなる。
その時、
栞鳳が最高に可愛らしい
笑顔で、首をコテっと横に傾けた。
その行動を見た瞬間
彼女の心臓は
まるで石弓にはじかれたように飛び上がった。
実「(うそうそうそうそっ!!!!?
かっ可愛すぎでしょぉぉ!!!!
テンションMAX
ラブセンサーMAX!!!!)」
顔を真っ赤にさせながら
その己の欲望を
ぐぅっと押さえ込む。
実「ホ、ホットコーヒー1つですねっ」
実咲は
精神を保ちながら
にっこりと微笑んだ。
実「(てっていうか何この人…っ)」
実咲は
バクバクと胸が高鳴っている。
実「(なんかさっきから
ずっと直視されてんですけどぉ!!?)」
実咲のいった通り、
栞鳳はじっと彼女の目を見つめていた。
恥ずかしすぎて
頬が見る見るうちに紅潮した。
湧き上がる興奮を
なんとか隠しながら
実咲は栞鳳にコーヒーを渡した。
実「おっお待たせしましたー♥」
その瞬間、
グッと顔を引き寄せられる。
すると
栞鳳が耳元で
色っぽい声を囁いた。
栞「今から僕と遊びませんか…?」
実咲は頭が吹っ飛んだ。
彼は上目遣いで
オドオドとしながら答えを待つ。
実「(かっ可愛すぎだろォォオ!!!)」
実咲はもう
理性を保てなかった。
神経が脈だち、
頭が興奮状態に陥っているとき、
栞鳳はまた囁く。
栞「二十分後【sugar*battery】で♪」
栞鳳はコーヒーを
持って立ち上がると
実咲にお金とウインクを1つ。
そして、
スタスタとお店を出て行った。