第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
栞「お久しぶりだねぇ沙織ちゃん♪」
栞鳳は
飄々な笑みを浮かべた。
沙「な、なんで会長さんがっ!?」
刈「まさかずっと居たんですかね。」
栞「僕をストーカー扱いしてないか!?」
スっと
栞鳳は向かいのソファーに座る。
すると、畏まって
肘をデスクに乗っけた。
栞「僕の沙織ちゃんを虐めるなんて
許すわけないでしょう?
キチンと落とし前つけなきゃね☆」
口では
恐ろしいことを言っているのに
その笑顔はまるで
危険を全く感じない。
(やっぱり…会長さんは凄い人だ…)
私は 息を呑んだ。
その時、
隣の刈真が微笑んでくる。
刈「ほらね。
君はひとりじゃないんだよ。」
その笑顔は
私の心を癒してくれた。
沙「…ありがとう…。」
自分も
ふたりに向かって
とびっきりの笑顔を送る。
すると、笑い返してくれた。
刈「元気になって良かった。」
栞「やっぱり沙織ちゃんは可愛いね♪」
沙「でも…皆に迷惑はかけられない…。」
一瞬不安になった私は
そっと顔を伏せた。
刈「迷惑なんて思わないよ。」
沙「えっ?」
栞「そうそう、沙織ちゃんを
迷惑なんて言ったら 僕が怒っちゃうしね?」
沙「…刈真君…会長さん…」
私は
改めて幸せを感じた。
栞「そーれじゃ、」
栞鳳が指をパチンと鳴らす。
栞「あはは、面白いこと考えちゃった。」
刈「どんなことですか。」
沙「どんなことですか?」
栞鳳は、
怪しく笑う。
栞「確か…バイトをしている
君たちは…明日お休みなんだよね?」
「それじゃあさ…」
熱い陰謀と嫉妬と欲望と。
何もかもがドロドロと
沙織たちを飲み込んだ二日間。
✝バイト戦記✝
逆襲劇が 今
はじまる。