第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
沙「刈真君っそれって?」
私が問いかけると
刈真は力強く笑った。
刈「本当は…争いなんて嫌いだ。
だけど、
君を見守っている人は
放っておけないようだね。」
沙「え?」
刈真は、
どこか遠くを見ていた。
冷凍庫から脱出した後、
体を休めるために
ふたりは応接室のソファーに座った。
刈「君に酷いことをしたあの子達。
僕も許せないけど
あの人だって
許していないはずだよ。」
私は
刈真の言葉が分からなかった。
あの人って…誰…?
刈「…いますよね。」
フッと、静かな声が響く。
その途端、窓がガラっと
開いて、誰かが入ってきた。
その姿を見て私は驚く。
沙「…嘘っ!?会長さんっ!?」
窓から颯爽と
現れたのは 柊 栞鳳。
私は 開いた口が塞がらなかった。
栞鳳は、
お待たせというように
遠慮なく部屋へ入ってきた。