第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
「っ…?」
突然吹いてきた
謎の突風。
振り返った私は
完全に体制を崩し、
花畑に転がり込んだ。
「う…っ」
まだ鈍い体を
必死に起こし、ふたりを探す。
すると、
ふたりのいる場所には
突風など吹いていなかった。
まるで 別次元のような。
冷や汗をかいた途端、
一気に足場が崩れていく。
「っ!?」
残された足場に
腰から倒れ、見えたのは私だった。
「あっ…ぁ」
『信じてどんな意味があったの。』
見上げると
もう彼女の姿は見えなかった。
…信じるって…素敵じゃない…
『どこが。』
あなただって…
お兄ちゃんを信じてるじゃないっ!!
『…っ!!』
最後の足場が崩れ
ズルッと下に落ちていく。
悲鳴をあげる余裕も無かった。
『…信じる心…見せてよ…』
泣いているように
か細い声が響く
…絶対に見せるからっ
待っててっ!!
私は また
睡魔に襲われ ふっと意識を手放した。