第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
実「あっ…」
ふと、何かが閃く。
そのまま実咲は、ニヤリと口角をあげた。
カツカツと
音をならしてあの子に近づく。
ズルッ
そして、頭を
思いっきり持ち上げた。
実「あんたもムカつくから…
この前の生意気だった
バイトみたいにお仕置きしなくっちゃね♪」
あの子は覚めない。
フンと鼻を鳴らすと、
実咲はあの子を乱暴にカートに
押し込み、歩き出した。
「信じたら 騙されるじゃない。」
…。
「助かったでしょう。良かったね。」
…。
「そんなに 人を信じたいの?」
…だって
信じなきゃ 私は
彼を拒んでしまう。
そんなの…嫌なの。
「信じるなんて 馬鹿馬鹿しい。」
それはあなただけだ。
私は違う…
「信じなくても 生きていけるでしょう?」
…。
「あなたは、昔から
そうだったんだから。」
…。
お母さん…
お父さん…
お兄ちゃん…
「私のこと 嫌い?」
…大っ嫌い。
「 悲しいや 」
「じゃあ 見せて。」
「人を信じる心を。」
――――――――バタンッ
沙「!!っっ」
私は目が覚めた。