第21章 ✝バイト戦記✝Ⅱ
客が指差す方向へ目を向けると、
そこには実咲が
嘲うように笑っていた。
(またハメられた…っ)
私は悔しくなった。
だが、今はそんな状況じゃないっ
沙「すみませんお客様っ!!
ですがそのジュースは私が
作ったのではございませんっっ!!」
「じゃあ作ったやつ呼んで来いよっ!!??」
沙「そっそれが先程から見当たらなくて…っ」
その瞬間、
客は豪快に舌打ちをして叫んだ。
『二度とこねーよこんな店っ!!!!』
そして、ジュースを
私にぶっかけた。
まだ作ったばかりで、
冷たい氷とジュースが私の
心まで凍りつかせる。
苛立った客が帰っていくと、
その後には他の客も唖然としていて、
静かな空間には
顔にかかったジュースが
滴り落ちる音しかしなかった。