第21章 ✝バイト戦記✝Ⅱ
沙「こういうのが…なのかな…。」
私は、キッチンについてから
少し考える。
奈菜美達の言っていた
いじめというのは
この場ではこういうことを
やる事なのだろうか?
(この程度だったら…大丈夫。)
私は少し安心した。
その時。
客席の方から連が歩いてきた。
連「あ、キッチンは
沙織ちゃんになったの?」
相変わらずとても眩しい笑顔だ。
こっちの方までにっこりしてしまう。
沙「はい!」
連「そっか!じゃあ早速
注文されてね。えっと…
エビフィレオサンドと
グレープジュースを頼めるかな?」
沙「はい、わかりました!」
私は、せっせと行動に移る。
(サンドは出来てるのを持っていくだけで…っ)
(ジュースは氷を入れてっ)
奈「ほら。」
沙「!っ」
ジュースを作ろうと
したところに、奈菜美が何かを
私に押し付けた。
沙「…ジュース…?」
それは、
今私が作ろうとしていた
グレープジュースそのものだった。
奈「それ頼んだ客、
気が短そうだから早くしなっ」
奈菜美が、私の
耳元でこそこそと話をした。
沙「は…はいっ!」
(もしかして…助け舟出してくれたの…?)
私は、奈菜美は
ひょっとしたらいい人なのかもと思った。