第21章 ✝バイト戦記✝Ⅱ
in翠&優一
翠と優一は、
雫が帰った後、
また退屈になってしまったので
本棚の整理をしていた。
翠「さてと。次はこっちだね…」
翠は、
自分の身長の三倍程も高さの
ある本棚を、首が痛くなるまで見上げた。
いったん溜息をついてから、
ゆっくりと本に手を伸ばしていく。
だが、結構ぎっしりと
詰まっている本同士は、
なかなか簡単には取れなかった。
翠「くっ…なかなかやるじゃないっ」
ふっと鼻で笑い、
さらに力を込めて本を引っ張った。
翠「はいやぁっっ!!!!」
一声をかけ、
思いっきり本がズリっと抜けた。
それと同時に。
翠「えっ…―――」
翠が目の前の状況を
理解する時間は無かった。
抜けたと思った本に
沿って、ガタガタと落ちてくる無数の本。
当然その本達から
身を守る余裕もなく、
只、自分に本が降りかかってくる瞬間が
スローモーションのように見えた。
…やばい!!
ぶつかるっ!!!!!
「ったく、だらしねぇなぁ…」