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「 水色の革命 」

第21章 ✝バイト戦記✝Ⅱ





廊下の奥から、
コツコツと音をたてて歩いてくる少女。

真っ黒で
何のチャームポイントもない
サイドテールの髪は、

歩く動作に合わせてユラユラと揺れていた。


なんの特徴もない
黒い瞳には、

手元に抱えている花瓶が映る。


そして、
優しく微笑みを浮かべていた。



美「…黒翔…沙織さん…だっけ?」


美紀は、
彼女の名前を思い出した。

クラスでは、
まだ一度も話をしたことがなかった。


クラスメイトから聞いた話では

『なんか教室の隅にいそうな子』

らしい。


美紀が、
なるほどね…と
思いを巡らせていると、

沙織は教室に入ってきた。


そして、美紀の存在に気づく。


沙「…!」

美「!っ」


重なる視線が、
どこかふたりには重くって。

沙織は、
ぎこちなさそうに
微笑むと、すぐに花瓶を置いて
教室を出て行ってしまった。




美「…。なに…?あの子…」





美紀は、
なぜか沙織のことが気に入らなかった。



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