第21章 ✝バイト戦記✝Ⅱ
彼女には
友達も沢山いた。
その可愛らしい笑顔に。
その上品な性格に。
誰もが、見とれて寄ってきたのだ。
でも、その目的は皆同じ。
美紀といれば男もよってくるもんね?
いい男も見つけられちゃうかも!
なんか自分も高い地位にいれるじゃん?
本当、友達になれて嬉しいなぁ!
本当、友達になれて嬉しいなぁ。
そんなこと、
これっぽっちも思ってなかったくせにね。
美「全く、よく言うわよ。」
放課後の教室でひとり。
美紀は窓から外を眺めていた。
″友達″と呼ぶその子達は、
男の子達と一緒に合コンへ行った。
勿論、
男の子は私がいないことに気づかない。
美「そんなこと、どーでもいいけどね。」
ゆっくりと溜息をついた後、
美紀は廊下の方へ歩いていった。
その時に
初めて ″ 彼女 ″の存在に気づいたのだ。