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「 水色の革命 」

第21章 ✝バイト戦記✝Ⅱ




美「…?」


琴「驚かせたのならごめん。
  ちょっと、聞きたかったんだっ

  その…

  虐めている側の…人のこと…。」


美「…。」


美紀は、すっと
顔をあげると、

不思議な表情で見つめてきた。


どこか寂しそうで


自分のことを 後悔しているようで



温かくて 冷たくて




琴音は、そっと頷いた。
美紀は、握られた手に力を込める。

そして、馬鹿げたような顔をした。



美「理由なんて…自分が全て悪いの…」


琴「…。」



美紀は、
琴音に笑いかけると、
また箱の中から石鹸を取り出した。


美「石鹸って、
  使えば使うほど汚れるでしょう?

  そして、いつかは無くなっちゃう。」


美紀は、
石鹸を棚の奥へと押し込んだ。


美「同じようなものよ。」



美「…沙織に泥を塗って、
  嘲笑いたかっただけなの。

  そして、
  いつかはこの世から消えればいいって。」


琴音は、
つい言葉がつまる。

今、自分はいじめっ子の話を
真横で聞いているのだ。

しかも それは大切な友達。


自分は虐められっ子で、

彼女はイジメっ子だった。


こんな関係、なんだかわらけてくる。


美紀は、
悲しそうに力の無い笑みを見せ、

話の続きをし始めた。




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