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「 水色の革命 」

第21章 ✝バイト戦記✝Ⅱ




刈真のことを好きか…?






そんなの。決まっているじゃないか。








沙「…好きです。」












奈「…そう。」




奈菜美は、先程のおふざけ気味の
目とは違い、真剣な表情をしていた。




奈「…あんたなんかには負けないから。」


沙「へっ?」




奈菜美の顔を見上げる。

すると、私に対して苛立っているようだった。

その原因はなんなのか。
私と刈真が一緒にいるから…だろうか。


私は、哀しみも半分、苛立ちも半分だった。


すうっと、
すきま風が通り過ぎるように
その場の空気がひんやりと感じた。



奈「刈真君をオとして…
  あんたのことをズッタズタにしてやるからっ」




堅い熱意のこもった言い方を
した後、奈菜美は
足早に私の横を通り過ぎ、
店内へ戻る扉に手をかけた。



奈「私はあんたなんかに負けてない…っ」



去り際に奈菜美は呟いた。



私は、奈菜美が
出て行った扉を見つめる。







沙「…もう…呑まれたくないの。」





拳を、ギュッと握った。










そっちがその気なら。





こっちだって…とことんやってやる…っ













もう…














黒い渦に呑まれたまま




怯えているのは嫌なの…。







沙「いつも…守られてばっかだったからさ…。」















彼の顔が
頭によぎる。


















沙「今度は…



















  私にも、カッコつけさせてよ。刈真君!!」








絶対に負けない。



そう思ったら、勇気が湧いてきた。
いつの間にか、笑みもこぼれてくる。


ああ、私は少し成長したのかな…。







沙「…はじまりだ。」














私は、力一杯扉を開けた。














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