第21章 ✝バイト戦記✝Ⅱ
どうして私はいつもこうなんだろう。
ただ 普通に暮らしていたいだけなのに。
ただ 皆とお話したいだけなのに。
どこで道を踏み間違えたのかな…。
もう…
手遅れなのかな…。
沙「戻らないとね。」
私は、一旦顔を水洗いし、
店内へ戻ろうと扉を開けた。
沙「あ…。」
部屋を出たところで、
在庫保管室から 奈菜美が出てきた。
なんでか とても顔がこわばっている。
その時、ふいに奈菜美と
目が合ってしまった。
沙「!!っ」
私は急いで目線を逸らし、
その場を離れようと走った。
奈「待って。」
沙「!!」
静かに響くその声に、
私は思わず立ち止まる。
手汗が滲んでくる…
早く…。
奈「あんた、刈真君のこと本当に好きなの?」
沙「…え?」
私は振り返る。
すると、奈菜美が
悔しそうに顔を歪めていた。