第21章 ✝バイト戦記✝Ⅱ
休憩時間になったとき。
さっきのように
刈真と連のところへ行けと
頭の中では思っていたが
体は云う事を聞かず、
表情も笑顔をつくれなかった。
少し足早に
控え室の洗面所へ急ぐ。
鏡の前に立ったところで、
たまったものを吐き出すように叫んだ。
沙「どうしてよぉおお!!!!!!!!」
ギュッと、
拳を握り締める。
沙「どうしてよっ!!?
どうしてまたこんな
想いしないといけないのっ!!?
私に幸せは訪れないのっっ!??
私は刈真君といてはダメなの!??
また…
呑まれてしまうの…? 」
消えかかる声と共に流れた
大粒の涙は、私の手の甲へ滴り落ちた。
苦しくて苦しくて。
どうしようもない
不安とドス黒い自分の考えが
体に巻きついて離れない。
解こうとしたら、
いつの間にかもっと絡んでくる。
まるで、
大きな 蛇 のように。
沙「…大っ嫌い…。」
私は、
もう我慢するのをやめてしまった。
沙「 大っ嫌い…っ。 」
沙「自分なんて大っ嫌いだぁあっっ!!!!!」
自分なんて…
大っ嫌い…。