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「 水色の革命 」

第19章 ✝バイト戦記✝





まだ知り合って
ろくに話もしたことのない女性に
抱きつかれるのは、とても気持ち悪い。


僕は、早く終わってくれと願った。



奈「ねぇ、刈真君。」


刈「っ…はい?」


奈「どうして刈真君はあの女がいいの?」


刈「えっ?」



僕は、思わず聞き返した。
奈菜美の顔を見ると、
誰かを憎んでいるような表情をしている。



刈「奈菜美…さん…っ?」

奈「ねぇ、刈真君は
  あの女にそそのかされたんでしょう?

  ダメだよっっ!あの女と関わったら!
  あの女は昔っから

  男をてだまに取る女なのよ!絶対!!

  最低な女なんだよ!!!」




その最後の一言に、
僕は腹が立った。



刈「あなたが沙織の何を知っているのです?」

奈「え…?」




僕は、
体に巻き付いている彼女の手を
つかみ剥がし、向かい合わせにして並ぶ。


そして、彼女を睨んだ。



その瞬間。

彼女は、
薄い刃物で背中を撫でられるような
戦慄を受ける。



刈「沙織を知らないあなたが
  なぜ、彼女を知ったように言えるのですか?」


奈「…っ」


刈「ふざけるな。」


奈「っ!!」


今日一番の、
低く、恐ろしい声が響いた。




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