第19章 ✝バイト戦記✝
雫「そういえば、
最近刈真の学校での様子はどうですか?」
翠「ああ!相変わらず元気ですよ。
沙織ともラブラブです( ̄∀ ̄)」
翠は、手をハートの形にした。
雫は良かったというように微笑む。
雫「これからも どうか
弟をよろしくお願いしますね。」
翠「了解です!(>Д<)ゝ」
優「うすっ!」
ふたりは元気よく敬礼をする。
雫は、安心して、「じゃあまた。」と
手を振り、お店を出て行った。
翠「いやぁ~、雫さん
相変わらずお綺麗だったなぁ~」
翠がしみじみと語りだす。
優「嶋瀬に姉なんていたんだな。」
翠「…うん。」
突然翠の声が暗くなり、
優一は目線を向ける。
翠「…刈真君は…努力した子だからね…」
優「…?」
翠は、
先程雫が返した
三冊の分厚い本を見つめていた。
優「あ、これ、医者の本じゃねーか。」
翠「え!?」
優一が指さした本を、
翠は急いで拾い上げた。
翠「ああ…。」
優「嶋瀬の姉さん。医者になりたいのかもな。」
優一が、ふにゃっと笑った。
翠は、本を見ながら感動する。
翠「やっぱり…素敵なお姉さんじゃん…」
『発達障害の子供達を救おう』
本の表紙には、
そんな言葉がデカデカと書いてあった。