第19章 ✝バイト戦記✝
雫「もしかしてバイトですか?」
雫が、
優しく微笑みながら言う。
こんな笑い方まで
刈真とまるっきり一緒だ。
翠「はい!そうなんです!
あ、紹介しますね!」
翠は、雫に向かって敬礼すると、
座っていた優一の胸ぐらを掴んだ。
胸ぐらはやめてあげようよ翠ちゃん…汗
優一は少し苦しそうに唸った。
翠「えっとね!この
長身男が如月 優一っていうの!
アタシ達のクラスメイトです!!」
優「ぐっ…う゛…っ」
雫「あ…ははは…っ。
よろしくお願いしますね。優一さん。」
優「よろしくお願いします…」
優一が雫に返事を返すと、
翠はパッと胸ぐらを掴んでいた手を放した。
翠「ところで雫さん。
今日は本を買いに来たんですか?」
雫「あ、いえ。
前に借りていた本を返しに来ました。」
雫は、
背負っていたカバンから
厚めの本を三冊取り出した。
翠「じゃあ早速返品しますね!」
雫「お願いします。」
翠「はい!」
ピッピッピッ サッサッ
翠「はい!終わりましたよ!」
雫「え!?もうですか!?
まだ二秒も経ってないですけど…!?」
翠「慣れればこんなものです。」
翠は、えっへんと
腰に手をあてて言った。
雫「は、はぁ…。」
優「…(んな訳ねーだろ…)」
優一は、
翠を見るなり溜息をついた。