第19章 ✝バイト戦記✝
ふたりのいる本屋は、
大きなスーパーのような広さで、
クーラーなどの
暑さ対策も抜群だ。
しかも、
本屋といえば
あまり人は喋ろうとしない。
落ち着いた空間で、
誰もが自分の好きな本を選べる…
こんなにいいところ。
優一には勿体無いだろう…。
翠はつくづくそう思った。
優「んーーっ!」
優一は、大きく背伸びをする。
翠「こらっ!
お客さんが来たらどうすんの!」
優「こねぇよ…絶t――――
ウィーン
翠「(キタ━(゚∀゚:)━!!!!)」
優「(キタ━(゚∀゚:)━!!!!)」
雫「…あれ?みどり…さん?」
翠「!!あっ!雫さん!!!!」
本屋に訪れたのは、
爽やかでいてお上品な出で立ちの女性。
刈真の姉の 雫(しずく)だった。
翠「雫さんお久しぶりですね!!」
翠は、レジから身を乗り出して
雫に呼びかけた。
雫「ええ、あの時はありがとう!」
※『刈真の過去』観照
翠は、雫に微笑み返しながら、
チラっと洋服を見つめた。
白の総レースプルオーバーブラウスに
カーキー色のミニスカート。
ガーリーテイストの
可愛らしい服装は、
雫の長くストレートな黒髪にはもってこいだ。
翠「(流石刈真君のお姉さん…)」
翠は、
うんうんと無意識に頷いていた。