第19章 ✝バイト戦記✝
優「眠いから寝るって…
しっかり理由になってる…」
翠「いやっでもね!?
それはね!?えっとぉぉああ!!
もう!!優一はのんないから
やりずらいぃぃいいっ!!!!!!」
翠は
頭をグシャグシャと掻き始めた。
優一は頭にハテナマークを浮かべながら
首をかしげる。
優「だけど…どうせ、
人まだこねぇだろ…?…」
翠「う゛っ」
痛いとこを突かれたような
感覚に翠は襲われる。
そして、
優一の言葉に
一番見たくなかった店内を見渡した。
…ガラ空きだ。
お昼頃は、
これでもかという程
お客が大勢押し寄せてきて、
レジ係のふたりも休めなかった。
おかげでもうレジは完璧だ。
だが、丁度午後三時を過ぎたあたりから
全く店にお客がくる様子がない。
レジの椅子に座っている
ふたりには、
お客ではなく、眠気と退屈しか来なかった。
翠「うう…それを言われると…」
翠は、下唇を
強く噛みながら、背もたれに寄りかかる。
そして、深く深く溜息をついた。
優「でも…ここは俺にとって最高だ…」
優一は
大きくあくびをしながら呟く。
翠「まあ…確かにねぇ…」
翠も、
優一のあくびに誘われ、
自分もあくびをしだした。