第19章 ✝バイト戦記✝
私は、少し慌てながら微笑む。
奈「よろしくね!沙織ちゃん!
私の名前は奈菜美!で、
こっちのお団子野郎は実咲だよ!」
実「ちょっと!お団子野郎ってなによ!!」
お団子野郎と呼ばれた
実咲という女性は、
ロングヘアーの奈菜美という
女性に向かって怒鳴っている。
私は、なんだかいい雰囲気だなぁと思った。
(ちょっと心配だったけど
なんだ、いい人達じゃない…!)
そう思った私は、
にっこりと笑いながら、
沙「奈菜美さん!実咲さん!
どうぞよろしくお願いします!」
とお辞儀をした。
奈菜美と実咲は、
そんな私を見つめる。
やがて、「おう!」「よろしく☆」と
笑顔で返してくれた。
私は 嬉しくてつい口が笑ってしまう。
奈「じゃあ早速控え室へGО!!」
沙「え?控え室ですか?」
実「いいのいいの!
女の子なんだから身だしなみを
常にチェックしなくっちゃね♪」
実咲に肩を押され、
私を含む三人は、賑やかに
控え室へと足を運んでいった。
連「沙織ちゃんにここでも
お友達が出来て良かった!!」
取り残された男ふたりは、
じっと控え室の扉を見つめる。
刈「…。」
連「?どうしたの、刈真君。」
何故か不快そうな顔をしている
刈真を不思議に思い、
連は問いかけた。
刈「…。思いすぎ…でしょうか。」
連「え?」
刈「いえ、なんでもありません。
仕事のこと、教えてください。」
刈真は、
涼しい笑顔を連に見せた。
連「あ、う、うん!
えっとね、ここをこうすると――――」
この時の刈真の予感は…
はずれてはいなかったのだ―――――