第19章 ✝バイト戦記✝
沙「ありがとうございましたーっ」
バイトを始めてから三時間程。
そろそろ手馴れてきて、
今では普通の店員みたいだ。
お客様を最後まで見送ると、
そそくさとキッチンの方へ向かった。
沙「あ、刈真君!」
キッチンへ入ると、
刈真と連が、なにやら話をしていた。
連「沙織ちゃんお疲れ!
そろそろ二人も慣れてきたね…」
連は、眩しい笑顔を浮かべる。
私は「連さんのおかげです」とお辞儀をした。
連「よし!じゃあ
そろそろ他の仕事の方もやっちゃいましょう!」
私達は「はい!」と
元気よく返事をした。
その時。
「せんぱーい!」
「連さーんっ!」
控え室の方から、
ふたりの女性店員がやってきた。
年齢は…おそらく私と同じだろうか。
ふたりは、
足早に連の隣へとやってきた。
連「どうしたの?二人共。」
連が不思議そうに問いかける。
すると、お団子ヘアーの子が私を見た。
「この子が新しく入った子ですか?」
連は「うん!沙織ちゃんだよ!」と
笑顔で答える。
すると、ロングヘアーの子が
連に言った。
「この子、私達が教えてもいいですかぁ?」
連「え?」
沙「へ?」
ふたりの女性は、
連に頼み込んでいる。
その勢いに圧倒されたのか、
連「まあ…いっか!お願いね!」
と、少し苦笑い気味に承認した。
「ありがとうございますぅ~!!」
「きゃ~!先輩さいこーう♥♥」
ふたりの女性は
キャッキャキャッキャしながら
私の手を握ってきた。