第18章 フード店の危機!
「すみませーん!注文おねがいしまーす。」
客席の方から、
元気な女性の声が聞こえた。
私達は視線を移す。
連「早速注文が来たね。
じゃあ…最初は刈真君。やってみて!」
連が、刈真の背中をポンと叩く。
刈真は、「はい。」と一言呟くと、
せっせと注文を取りに行ってしまった。
心配になり、チラッと覗いてみる。
刈「ご注文はどうされますか?」
「あ!!えっえっと!!
チェ、チェリーケーキとっ!!?
あと…っ!パ、パンケーキで!!!!」
刈真の透き通るような声と綺麗な顔に
女性客ふたりは完全に見とれていた。
そのおかげで、物凄くテンパっている。
刈「パンケーキの方は、
ソース、どういたしましょう。」
「ええっと!!えっとっ
い、いちごソースとチョコでお願いします!!!」
刈「かしこまりました。
どうか良いディナーを。」
「はっはいぃ…♥」
「はいっ!!」
刈真は、接客の説明に載っていない
言葉で最後をしめる。
その声と優しい笑顔で言われてしまっては
女性客誰もが顔を真っ赤にしてしまうだろう…
連「いやぁ~やっぱり刈真君は凄いよ!
君は頭に叩き込むのが上手いねぇ!!」
戻ってきた刈真を、連は褒め称える。
私も拍手をした。
刈「凄く緊張しました…。」
沙「刈真君凄いよ!!」
連「うんうん!!」
私達が刈真を持ち上げていくにつれて、
だんだん刈真の頬が赤く染まっていく。
本人は凄く恥ずかしいようだ。
私は、にっこりとはにかむと
「自分も頑張らなきゃ!!」と呟いた。
(…! そういえば…翠さんはどうなんだろう…?)
沙「ちゃんとバイト先見つかったかな…」
私は、お店の大きなガラス窓から
広く鮮やかな青空を眺めた。