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「 水色の革命 」

第17章 信じてるから笑うんだ




栞鳳は
溜息をついた後、
軽い足取りで私の隣に座る。


沙「…?…。」

栞「えへへっ特等席だね!」


明るい笑顔で答える栞鳳の目には
どこか…興味と恐れが漂っていた。


私は 顔を伏せ、
静かに「帰ってください」と言う。


だけど 栞鳳はいうことを聞かず、
それから何分も私の隣でじっとしていた。





丁度一時間が経ったあたり。




栞「ねぇ、沙織ちゃん。」



栞鳳が いつもと違う真剣でいて
優しい、不思議な表情と雰囲気を出して話し始めた。

私は 


この人は栞鳳か? と思う。




栞「沙織ちゃんは今、いじめを受けてるよね。」

沙「・・・。」


栞「僕はね。そういう沙織ちゃんが大好き。」


沙「っ!?」



栞「だって、君は今さ。
  人の何倍も何十倍も、良い経験をしてるんだ。」



なにを言ってるんだ。


私は 彼の横顔を睨んだ。





私が いい経験をしている?



こんな いじめ のどこがいい経験なんだ。




沙「・・・良い訳ありません・・・っ」


栞「ううん。良い経験なんだよ?


  人の 痛み と 苦しみ に


  ちゃんと『寄り添える心』が育つんだから。」



栞鳳は 優しく笑う。


沙「寄り添える…心…」

栞「うん。」



私は 栞鳳の顔を見つめた。





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