第17章 信じてるから笑うんだ
栞「あははっ…あの時も
そんな反応してたよね。沙織ちゃん。
とっても可愛いなぁ…」
栞鳳の手が、すっと私の頬に伸びてくる。
私は、どうすることもできずにいた。
彼の手が、私の頬を撫でるように触る。
・・・冷たい
栞鳳の指先は
凍りついてるように、酷く冷たかった。
私はその感触に耐え切れず、
震えながらばっと顔を逸らす。
すると、栞鳳が申し訳なさそうに
「ああ、怖がらせちゃったね。ごめん」と言う。
それでも、体の震えは止まらなかった。
栞鳳は、ふふっと笑うと、
立ち上がって少し私から遠ざかる。
栞「沙織ちゃんは、今も昔も変わらないね。」
「いや・・・ひとつ変わったかな…。」
沙「…っ?」
栞鳳は、急に不快そうな顔をし、
そばにあったミニテーブルをガンッと叩く。
私は、その音に肩を揺らした。