第17章 信じてるから笑うんだ
「…ん…ぁ…?」
私は 目を覚ました。
沙「えっ・・・?」
目の前の光景を見るなり、
私は今の状況が理解できなくなる。
そこは、
真っ黒なカーテンのような幕に仕切られており、
ガソリンのような
鼻にツーンとくる匂いがする。
私は、とにかくこの幕の外へ行こうとした。
だが、片足が動かない。
沙「・・・?…っ痛っ!…」
突然痛みが走った片足を見る。
すると、痛々しく腫れてしまっていた。
沙「あ…。」
私はこの時、
先程の出来事を思い出す。
どうして、私は
馬鹿なことをやってしまったのだろうか。
やっと クラスの皆とも
ひとつになれていたと思っていたのに。
もう あの言葉なんて
とっくのとうに忘れていたはずなのに。
栞「あ、起きたぁ~?」
沙「…っ!!」
突然、幕からヒョコっと笑顔の
栞鳳が現れた。
栞「さっきは大変だったね。」
沙「あ…はい…。あのっ…」
栞「ん?」
私は、恐る恐る栞鳳へ問いかける。
彼の顔は、笑顔だけれど 恐ろしい程怖いのだ。
沙「こっ ここはどこですか…?」
一瞬、栞鳳の瞳が怪しく光る。