第17章 信じてるから笑うんだ
大「もうやめろっ!!」
そう叫んだのは大河。
男は、いったん手を止めると、大河を睨んだ。
「んだよ大河。お前だって
散々こいつ殴ってきたんだろう?
俺にも殴らせてくれよ。
じゃなきゃ腹の虫がおさまんねぇんだよっ!!」
ガタッ!!!
男は勢いよく机に蹴りを入れる。
その鋭い音に 私や他の皆も肩を震わせた。
男は、再度私の方へ向く。
沙「あ゛…あぁ…」
「けっ、お前見てるとムカつくんだよ。
前までは『いじめないでぇ~』って
犬コロみたいに怯えてたのによ。
今はなんだ? 私は皆に守られてるんだ!
ってさ… 何もかもがウゼェんだよ。 」
沙「…ごめ…んなさぃ…っ」
翠「ぅ…あ…」
優「!!翠っ」
隣で、翠と優一の声がする。
私は急いで翠を見た。
翠「 【謝んなくていい。 逃げて】 」
沙「っ…!!」
翠は、私に向かって口をそう動かした。
だが、腰が抜けて 逃げ出そうにも抜け出せない。
男は軽蔑した目で見下してくる。
私は、そんな相手を少しでもと睨み返した。