第17章 信じてるから笑うんだ
ドタっと翠が倒れた音が耳に響く。
その瞬間
後ろのドアから怒り狂ったような声が聞こえた。
優『『翠になにしてんだよぉぉお!!!!!!!』』
大声を出した優一は
怒り任せに翠を殴った男に襲いかかった。
男は 優一の重い一撃を食らう。
そして、机をガタガタと音を立たせて倒れた。
私は 足も手も動かなかった。
その光景が私には理解できなくて。
優一の瞳は酷く鬼のような怒りを漂わせる。
(こんな如月さんっ初めて見た・・・っ)
優一は私を一瞬見る。
その目は私を睨んでいた。
どうして翠を助けなかった。
私は胸を突き上げてくる動悸で
声が出なかった。
優「翠ィッ!!」
優一は、倒れている翠に駆け寄る。
複数の生徒達も 翠のまわりを囲んだ。
沙「あ゛・・・っあぁ゛…っ」
その時、優一に1発殴られた男が立ち上がり
私を睨み殺すように見つめる。
殴られる。
そう思ったときには
男の手はすぐ目の前にあった。