第17章 信じてるから笑うんだ
その時、ガラっとドアが開く。
確か副校長先生だった。
「嶋瀬君。ちょっと職員室へ。」
「…。」
私達は、刈真に集中する。
刈真は一回だけ下唇を噛むと、
涼しい顔をして教室を出て行ってしまった。
取り残された私達は
大きな波に飲み込まれる。
刈真が試験用紙を盗んだ?
そんな馬鹿なことする訳ないじゃないか。
でも、そう思ったのは全員じゃなかった。
「やっぱ、あいつってそんな奴だったんだな。」
「俺ぜってぇーやってるって思ってたもん。」
「今まで満点だったのも盗んでたからじゃないのw?」
学校に来ることが少なく
何回も問題を起こしていた
ガラの悪い生徒達が 刈真の犯行を認めたのだ。
だが、私は一切揺らがなかった。
だって、もうこのクラスは一つだもの。
もう、変われたんだから。
誰も、あいつらなんかに揺らがないはずだ。
そう 思ってたのに。
「…証拠写真…あるんだもんな…」
沙「っ!?」
「証拠があるんじゃ…そうなのかもね。」
「まじか。嶋瀬がこんなことやるなんてっ」
「なんか私 好感度失せたわー。」
「まさか盗んでたなんてさ。ありえないんだけどっ」
クラスは
まだ
ひとつになんてなってなかった。